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2006年10月31日 (火)

vol.1 "PROLOGUE"2

次の日、あたしは学校をさぼった。

髪の毛を黒く戻して、ピアスをとって、尖らせた爪を切って、鞄に教科書を詰め込んだ。ごく普通の、中学生に戻った。

あたしは、普通の中学生になりたかった。

ノリ、と呼ばれていたあの少年に、嫌がられたくなかったから。



次の日は、ちょっとした騒ぎになった。

そのざわめきの中で、あたしはすました顔で教科書を開く。だって、あたしはごく普通の中学生なんだもの、とても当たり前なことをしているだけ。今までのことを思い出すと、ちょっと変な気分だけどね。

それに、周りに何を言われたって、全然関係ない。ずっと、いろんなことを言われ続けてきたんだもの、今更気にならない。あたしは、あたしの思うように振る舞うだけ。

先生までが驚いた顔で見つめる中、久しぶりにホームルームに出ている自分がほんの少しだけおかしくって、少し笑った。



ホームルームの後、「ノリ」、彼が来た。

磯島尚人と一緒に、おずおずと教室を覗き込む。彼は首を振って磯島を見上げ、磯島はあたしに気がつき、驚いて指をさす。彼はその方向を見て、初めてあたしに気がついて、人懐っこい笑顔を浮かべた。そして、よく懐いた犬のように、駆け寄ってきた。

「大丈夫だった? 昨日休んでたろ? 病院とか行ってたの?」

昨日も来たんだ。心配、してくれてたんだ。

あたたかいものが、ゆっくりと体を流れていく。

「ホントにごめん」

「……ううん、大丈夫。気にしないで」

彼は嬉しそうに頷く。それから、不思議そうな顔であたしを見つめた。少し首を傾げて、そのあとぱっと顔を輝かせる。

「あ、そっか。髪の毛の色が変わったんだ。今の方が、いいよ」

面と向かって言われたから、ドキドキしてしまう。ほかの誰でもない、あなたにそう思ってほしかった。今の方がいいって。だから。

ありがとう、って気持ちで彼に微笑む。彼は少し頬を赤らめて、目をくるくると丸くさせる。それから、少し上を向いて、言葉を探してる。そうやって、言葉を選ぶんだ。ひとつひとつ新しい発見をして、嬉しくなる。彼のこと、何にも知らないんだもの。

「おまえ、今、笑った顔、すごいかわいかった」

え?

彼はくすくす笑って、付け足す。

「いや、あの後、クラスのやつに、桃瀬が怖いとか言われたから。でも、普通だよな。へんなこと言って、ごめん」

すごいかわいかった、なんて。ドキドキする。そんなこと、今まで言われたことなかった。びっくりしてるし、嬉しいけど、恥ずかしい。

彼は、クラスに戻る前に、照れたような笑顔で言った。

「俺、奥原徳大」

おくはら・のりひろ。

心の中で繰り返す。

ドキドキは収まりそうにない。かわいいとか言われたせいだけじゃあない。きっと、こういうのって。きっと、きっと。

あたしは、その名前を心の中で何度も何度も繰り返した。次の授業が始まっても、聴いたばかりの名前を、何度も何度も繰り返していた。

何度も、何度も、何度も、何度も。




vol.1“PROLOGUE” FIN

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