vol.3 "ONE MORE KISS"1
ONE MORE KISS
はちみつ色した月あかりが、小さな窓から差し込む。
あたしは、その仄かなあかりを体じゅうに感じ、少し感傷的になる。泣きたいような気持ちで、もう何十回となく聴いたライブ音源のCDを、またかける。そのCDは、ハスキーでせつない声がバラードで愛を語りかけ、あたしの小さな体を満たして、尚更泣きたくなる。
どうして、あたしは泣きたいのだろう。
あなたの声を、こんなに近くに感じるのに。
彼の声は、高音で甘くせつなく途切れる。
月の光が、あたしの頬をゆっくりとつたう。あたしは、親指でそれをぬぐいながら、強く想う。
―――好きです、磯島尚人くん。
。。。。。
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