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2007年3月12日 (月)

かなしいきもち

たとえば、恋をするということは

恋をするその日までは、薔薇色のフレームに縁取られた

光が溢れる輝かしい素敵なことだと思っていますが、

いざ恋におちてしまえば

目が覚めるほど美しいことばかりでなく、

うす汚くどろどろとしたヘドロ状のものがこの体を満たしていたり

台風の夜のように荒々しい風に吹かれていたり

その風に怯えて眠る小鳥のように弱くなったり、

それでも…



「…ってぇ~」

いきなり、通りすがりのヤツに後ろ頭をぱこんとひっぱたかれる。

振り向かなくてもわかる。こんなことするヤツはひとりしかいない。

アタシは、書いてたノートを慌てて閉じて、振り返って、露骨にイヤな顔をしてやる。

ヤツは席にどかっと座ると、ニヤリと笑って、手を出してくる。

「何?」

  「見せて」

「ヤダ」

  「なんで」

「アンタにはワカンナイから」

そう、アンタにはワカンナイ。

恋を夢見ていたあたしがうっかり踏んづけてしまった恋のカケラは、こんなにも、あまりにも身近だった。

白馬に乗ってくるはずの王子様は、毎朝自転車に乗ってやって来て、オマエは漫才のツッコミかというくらいのイキオイであたしの後ろ頭をぱこんと叩いて、笑いながら追い抜かしていく。

座席もあたしの斜め後ろで、通り過ぎるときいつもぱこんとやられる。

だけど、それは、あたしにだけ。

それを知ってるから、怒るより先に、頬が緩む。慌てて頬を引き締めて、怒る。

こんなはずじゃあなかった。

夢に見ていた王子様は、もっと上品で、やさしくて、涼しげな眼差しで微笑んで、あたしのことをまるで壊れやすい繊細なバカラグラスでも扱うように丁寧に扱ってくれる。

平気で下ネタを言って、ゲラゲラ大口を開けて笑うようなヤツは、お呼びでない、はずだった。

そもそも。

夢に見た王子様は、あたしだけを大切にしてくれていた。

目の前で笑っているコイツは、カノジョのカレ、だ。



恋をしては、いけないひとだった。

だけど、気付いたら、走り出していた。

海図も、方位磁石さえ持たず、嵐の大海原に飛び出してたみたいなモノだった。

しかも、舵の取り方さえ知らない、ど素人が。

あたしは、泣きたいのか、笑いたいのか、怒りたいのか、わめきたいのか。

それさえわからないまま、ヤツに向き合う。

キモチは揺れる。吐き気すら覚えるほどに、揺れる。

下ネタでも冗談でもない、真面目な顔で切り出すときの話は「最近、アイツが…」。

あたしはしたり顔で頷きながら、密かに思う、「のろけてんじゃねぇよ」。



たとえば。

ヤツがカノジョを捨てて、あたしの眠る窓辺にやってきて、恋のうたを囁いて。

その2本の腕であたしのことを抱擁し、やさしい瞳であたしを見つめ…

…いや、ナイナイ。

キモチワルイ。

キモチワルイといいながら、そんな想像を止めることができないのは。

キモチワルサの向こう側に見え隠れするキラキラした世界に、この身を委ねてみたいと思ってしまうから。

息が止まるような幸せとか。

あたしだって知りたいんだ。

さらにその向こう側に見え隠れする汚いものには目をつぶって。



ある意味、カノジョよりずっと近いのに。

こんな役、捨ててしまいたい。

だけど、この役にすがりついてしまう。

たったひとつの、儚い、蜘蛛の糸のような…

トモダチ。

便利な言葉だ。

そして、残酷な言葉だ。



恋しいという文字と

悲しいという文字が

重なって、涙で揺れる



ノートに書いて、そっと閉じる。

こんなキモチは、リボンで縛って、焼却炉に投げ入れてしまおう。

今日もヤツはあたしの後ろ頭をぱこんと叩いて、笑いながら去って行く。

「何するんだよ」

  「ぼーっとしてるからだよ」

あたしのキモチなんてワカンナイまんま、ずっと笑っていればいい。

あたしも。

ほら、ね、こうやって笑っているから。

アンタの前じゃ、絶対、泣いたりしないから。



「悲しい」と「恋しい」は、少し、似ている。

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コメント

こんばんわ!!
なんかじれったくなってきたので僕の友達欄にリンクしていいですか?
ってかしちゃったので駄目だったら連絡ください!!
これからもよろしくぅ~♪

初恋っていうか、まだ不器用な恋愛を書くのがうまいなぁって感心します。
せつないですねー。

まとめてレスします。

>怪童サマ。
こんにちはです。
リンクは全然OKですよ~。
こんなのしか書けませんが、ヨロシクお願いしますです。

>かなサマ。
こんにちはです。
ありがとうございます…ぺぺの中ではまだまだなので、また書いてみたいと思ってます。

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