肉まん殺人事件(笑)
ある、冬の日の話です。
ぺぺのおうちは、地下鉄の駅を出て、大きな公園を通り抜けた向こう側でした。
とてもとても寒い日で、地下鉄を降りたぺぺは、震えながら、出てすぐのコンビニで、肉まんを2つ、買いました。
肉まんで、指先を温めながら、歩く雪の上。
寒い日の雪道は、靴の下で、きゅっきゅって音を立てます。
ぺぺのおなかも、きゅーってなります。
胸元からは、肉まんのいい匂い…
…食べちゃおかな?
せっかくだし、温かいうちに。
おうちに帰りつくころには、きっと冷めちゃう。
それだったら、今、食べちゃった方がおいしく食べられる。
公園だって、だ~れもいないし、大丈夫。
降り始めた雪も、きっとお行儀の悪いぺぺを隠してくれる。
袋からカサカサ、1個肉まん取り出して、半分に割ります。
ふわぁ~っとあがる、暖かな湯気と匂い。
一口、パクリ。もぐもぐ。
ごっく…ん?
んんん???
んん~~~~っっ!!!
の、喉に詰まったっ…
く、くるし…
水…なんかない、ここは公園の真ん中。
元来た道を戻っても、おうちに向かっても、きっと同じくらい。
どうしよう…苦しい…
雪も吹雪いてきます。
…このまま、こんなところで、死んじゃったらどうしよう…
…パトラッシュ…僕、なんだか、眠くなってきたよ…
じゃなくて!
苦しいぺぺの頭の中に浮かぶのは、なぜか新聞の見出しでした。
「公園で肉まんを喉に詰まらせ、孤独死」
3面記事の片隅に載っているその記事に、情けないと思いつつも笑わずにはいられない人がいるのでしょう。
お通夜に来てくれる、友人達の、泣き笑いの顔も浮かびます。
きっと、ぺぺが死んだら悲しんでくれるのでしょう。だけど、何も肉まん喉に詰まらせなくても…ぷぷぷ…いや、笑っちゃイケナイ、笑っちゃ…でも…ぷ~っ! ぺぺ、最後まで、馬鹿な子だなぁ…。
そして、きっとずっと語り継がれるのでしょう…
…一生の恥!!
てゆーか、生きてないのか…
いやぁ~、こんなところで死にたくない、死にたくないよぅ…
…
…
…
あ。
詰まってたの、取れた。
残りの肉まんを袋にまた詰めて、吹雪がひどくならないうちに、走っておうちに帰ります。
もう二度と、肉まんを買い食いするもんか。
少なくとも、誰もいない公園で、食べたりしません…「肉まんを喉に詰まらせ孤独死」、なんて、絶対絶対絶対やだもん。
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コメント
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こんばんは。
笑えないです。
時々このブログを覗いてPEPEさんの妄想やひとりごとに励まされています。この前PEPEさんに「あなたと私にできる事」という歌を紹介してもらって元気づけられました。時々聴いてます。
ということで、ドラえもんの主題歌に「かけがえのない詩」という曲があります。YouTubeでも聴けます。実際に会うのはネット上ですが、ふるちょ の気持ちにかなり近いです。PEPEさんに贈ります。
投稿: ふるちょ | 2007年10月 6日 (土) 01時12分
あ、リンク忘れてた。
かけがえのない詩:http://jp.youtube.com/watch?v=cJiGFvRGmbw
どうぞ。
投稿: ふるちょ | 2007年10月 6日 (土) 01時16分
>ふるちょサマ。こんにちはです。
う~ん、ぺぺはいつもふるちょさんを心配させてしまってばかりいるのかもしれませんね。でも、こんなおばかな話に心癒されてくれているのであれば、書き手冥利に尽きます。
「かけがえのない詩」見ました。
ドラえもんの主題歌ってイメージ変わったよなーとか思いつつ、ちょっと泣けてしまいました。ふるちょさん、ホントにありがとうございます。前を向いて歩いていけます。
投稿: ぺぺ | 2007年10月 6日 (土) 12時34分